人体の不思議展

おとといに人体の不思議展に行ってきたのですが、
思ったことをいくつか。
実は十年ほど前にも一度行っており、
成長した今となって、もう一度確認するという意味でも行ったんです。
 
人体の不思議展の標本はすべてが本物の死体で出来ており、
体の水分と樹脂(SiやPMMA)で置換したものらしいです。
作り方はアセトンに人体を浸漬して、徹底的に脱水したうえで、
合成樹脂に浸漬し、圧力調整してつくるそうな。
 
が。
なんか会場に行っても、「あれ、これが死体?」と感じてしまい、
一向にリアリティがないことに気づいたのです。
それどころか、客は女性連れやカップルが多く、
純粋に勉強しにきてる人はあまり居なさそうでした。
壁に貼ってあるポスターも明らかにうけを狙っていて、
確かに面白くて笑わせるセンスのあるポスターなんだけど…
うーん。。。
 
触れる標本も、なんかすごい補修されまくっているし…
 
10年前、中学生のときに行ったころ、
「これ、ほんとにこの人たち浮かばれるのかな…」
と、隣で見ていた女性が言っていたのを聞いて、
ドキッとしたことを思い出しました。
その時は標本が怖くて、呪われそうで、
その言葉にドキッとしたんだけど、
でも今回は悲しい気持ちになりました、思い出して。
 
病理標本を見たとき、
このパーツを具有していた人は、
これが原因でなくなったんだなあ、と、
その生前に思いをはせることができたことで気づいた。
 
標本は、モノじゃないのに、
少なくとも生前はモノとしてではなく、崇高な一生命だったのに、
その死に対する厳かさとか、敬意が欠如していた気がする。
展示を見たあと、あまりぱっとしなかったのはそこかと。
やるならもっと徹底的に、営利抜きでやってほしい。
ものっそいグロくなってもいいので。
 
まあ、多分もう見に行くことはないかな。
高いし。