いよいよ

2年前の今頃は修論公聴会の準備に追われていた。
やがて卒業が確定すると、
学生時代にやり残したことをバタバタと片づけた。
3月31日の午前9時、小雨降る中、新大阪駅を発った。
故郷を発つ思いというのが、ここまでに重いものであったとは。
 
そのまま都内で新人研修に入った。
上京のさびしさもあったが、
仲間には恵まれたので押しつぶされるほどではなかった。
研修は2週間で終わり、実際の勤務がOJT方式で始まった。
指導者にはよく面倒を見ていただいた。
夏には出張実験にも参加でき、
研究生活も充実していたと言っていい。
 
しかし、急にお世話になった指導者が会社を離れられ、
新しい指導者に変わることになった。
それに伴い、僕の研究テーマは根底から変わってしまった。
研究を始めてちょうど1年のことだった。
 
学会で発表もしたのに、全てがゼロになるとは思ってもみなかった。
新しく与えられた課題に対する研究テーマを、
ほぼ独力で模索しなければならなかった。
色々な方の意見を参考にしつつ、
一つの研究テーマ群としてまとめ上げて発表したのがテーマ変更後3ヶ月後だった。
 
それから半年間はがむしゃらに実験をした。
幸いなことに、ほぼ企画した通りの結果が得られた。
 
最近では今やっている研究が面白くなってきたし、
将来のビジョンも何となくではあるが固まりつつある。
故郷を離れて2年。何度も変転を繰り返した研究生活。
果たして僕は成長できているのだろうか?
OJT訓練に終止符を打つ一大儀礼的イベント、進捗発表。
万感の思いが去来する中、いよいよ、明日です。