果心居士の幻術

果心居士の幻術 (新潮文庫)

果心居士の幻術 (新潮文庫)

司馬さんの異色短編集。かなり異色。
日本神話をベースに、海(ワダツミ)族と出雲族の戦いを描いた「八咫烏」、
太宰府に遠流された藤原家子孫が朝廷に謀反を起こすため、
手を組んだ不思議な百済人との交流を描いた「朱盗」が面白かった。
司馬さんが神話時代とか飛鳥時代まで遡るのはレアじゃなかろうか。
全体的に暗く、湿り気のある話が多い。
個人的には好きだが、何分異色なので好き嫌いが分かれると思う。
芥川が好きな人は好きなのかもしれない。特に牛黄加持。