ザリガニの鳴くところ

 

タイトルに"んん!?"となり,気になって予告編を見たら面白そうだったので.

 

湿地に住む女性の物語.

殺人の罪で起訴される過程で,自身の生い立ちが描かれる.いわゆるDV家庭に育つものの,結局家族全員が家を出て行ってしまい一人に.

なかなか惹きつけられる設定で,少女時代の物語がかわいそうで次に何が起きるのかが気になって先に見てしまう,そういう構成.

 

湿地の映像がめちゃくちゃきれい.これだけでも劇場で観る価値があるのでは,という美しさ.

失恋後に湖畔で立ち尽くす光景はなかなかぐっと来た.

 

基本的にハッピーエンドで終わるのだが,ラストのどんでん返しはやや分かりにくいか.

演出で"ええ…!?"と思わせようとする感じになって初めてわかったが,他の可能性もないか?みたいな(たまたま,とか).

 

情景の美しさや演出の上手さで,悲惨な物語でありつつ安心して観られる点は好印象.

ややダンサーインザダーク感の趣があるので,この映画苦手な人はハラハラするかも(私はダンサーインザダークかなり好き).

秀作.72点.