沈黙

おお、3日間も日記をさぼってしまった…。
まあ、それほど忙しかったわけです。
 
さて、沈黙読了しました。

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

日本がキリシタンを弾圧していた頃に、キリスト教を布教しに来た司祭のお話です。
棄教をしないキリシタンたちは次々と虐殺されて行くわけですが、
それでも神は何もしない、沈黙を続けている。
司祭はそれらの光景を見て、不安な衝動に駆られる。
もしも、神がいなかったとしたら。
すると、殉教とは栄光に満ちたものではなく、
キリシタンの死はむしろ滑稽で諧謔に満ちたものだと。
そして司祭と並んでキーマンとなるキチジロー。
彼は殉教するほどの勇気はなく、幾度となくキリスト教を裏切るけれども、
心の中では信仰したいと思って司祭にかかわってくる。
もし、彼がこんな時代に生まれていなかったら、
平和な一教徒として安穏と暮らしていたろうに。
いやぁ、深いですなあ。
結末は想像通りといえば想像どおりですが、
司祭の中の心情の変化を巧みに描いていて、大変読みごたえがありました。
さて、次は深い河を読みます。