無縁社会

久々に本の感想.

 

 

10年ほど前にNHKで取り上げられたドキュメンタリーをもとにしたルポ.

故郷を離れ,誰にも知られず孤独死した人たちのエピソードや,無縁死に備えながら過ごす人たちの様子が描かれている.

NHKドキュメンタリーもなかなかの内容だったが,ルポになるとかなり詳細に全容を把握できるように思われ,私にとっても他人ごとではないな,と思った.

実際30, 40代の生産世代にも無縁社会に対する怯えのようなものは広がっているようであり,私も人見知りをかなりする方なので共感するものがあった.

社会がどんどん味気なくなり,雇用も安定的ではなくなり,将来的にも社会保障が得られるのか不透明なこの時代…

 

ただ,最後のエピソード,無縁化した男性が地域に見守られながら死を迎えるというエピソードが対照的にぐっと来た.

この男性が非常に人徳のあった方だからだと思うが,大切な人を失い孤独化した人生を取り戻していく過程は映画的でもある.

 

こういうのってやっぱり政府のせいとか社会保障制度の欠陥だけじゃなくて,世の中の人々それぞれが付き合いを考えていくってことなんだよなぁ.

 

ブックオフで安く買い,先日行ったF先生ミュージアムの電車内で読み切ってもう一度売るとか考えてたけど,これは本棚ストックだな…

そろそろ身の回りのモノを厳選して身軽にしときたいと思っているのに,なかなか本無くならない...